社会秩序維持機能とは?
刑法における社会秩序維持機能とはいったいどのような内容なのでしょう。刑法の勉強を始めて序盤のほうに出てくる、刑法の基礎といえる用語なので、ここを抑えていないと後々しんどくなってくる場面が出てくるでしょう。それでは確認していきましょう。
社会秩序維持機能:社会を安定させ、社会の発展に奉仕する機能
社会秩序維持機能とは上記の通り社会を安定させ、社会の発展に奉仕する機能のことを指す。そして、この社会秩序保護機能は、法益保護機能と人権保護機能という二つの機能を内包している。
法益保護機能とは?一般予防的機能と特別予防的機能についても解説!
社会秩序維持機能についてある程度理解したところで、その中に含まれる機能の法益保護機能についても理解を深めていきましょう。
法益保護機能:刑罰という手段を用いて、法益を保護する機能
もう少しかみ砕いて解説すると、刑罰、つまり、罰を課すという脅しを社会にし、法益を守るよ。といった感じです。
そしてこの法益保護機能も一般予防的機能と特別予防的機能に分けることができます。それぞれの意味を見ていきましょう。
一般予防的機能:社会の一般人を犯罪から遠ざける機能
特別予防的機能:犯罪者が再び犯罪を行わないようにする機能
この二つの意味はそのままの意味で、
一般人に対して、犯罪をしたらこうなるよ?と見せしめの意味を込めている刑法が一般予防的機能。
犯罪者に対して、もう一度犯罪を犯すようなら罰の種類を変えてもっと重くするよというのが特別米納的機能。
少しわかりやすくするために例を出すと、
「もし夏休みの宿題を9月頭までに出さなかったら、反省文を書いてもらうぞ!」← 一般予防的機能
「もし来年も夏休みの宿題を出さなかったら、反省文を二倍書いてもらうぞ!」← 特別予防的機能
といった感じが想像しやすいのではないかなと思います。これならばゆうに理解できそうですよね!
人権保護機能とは?
法益保護機能について理解したところで、社会秩序維持機能のもう一つの機能でもある、人権保護機能についても見ていきましょう。
人権保護機能:犯罪と刑罰を決定することにより、国家からの刑罰権の恣意的行為から、善良な国民の
人権を保障する機能。そして同時に犯人自身の人権についても保障する機能
上記の通り、人権保護機能というものは、法益保護機能によって、刑罰の範囲の拡大に歯止めが利かなくなることがないようにある機能とも言えます。
刑罰が重くなりすぎることにより、法益保護機能が作用して犯罪者が減ることがあるかもしれませんが、日本国において、一般人そして犯罪者も人権を無視してはいけません。当たり前ですね。
そのため、人権保護機能によって、行き過ぎた刑罰を抑制しているわけですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。社会秩序維持機能は特に司法試験の短答式試験にも、論述式試験にも頻出するとはいいがたい範囲ですが、一般常識として刑法がどのような機能の元成り立っているのかを理解することは、司法試験を受けない方にとっても大事なことです。
これを機に法律の世界に足を踏み入れてみるのも面白いかもしれませんね^^